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——–Life With Music——–Vol.4

たくろうの”元気です。”・”井上陽水ライヴ”・”かぐや姫さあど”を完璧にギターコピー制覇すると、真似事では物足りなくなりシンガーソングライターへのチャレンジを始めた。
アルペジオ・スリーフィンガー・カッティングを駆使したコードテクニックを身につけたおかげで、作曲はさほど難しく感じなかった。
問題は作詞のほうで、読書感想文の宿題以外、本を読んだ事が皆無だった私にとって、詩って何?ってところからのスタート。
書けどもお粗末極まりない有様で、たくろう・陽水・かぐや姫は夢のまた夢。悩み抜いた果て、図書館通いを始めた。
詩集を片っ端から読みあさり、気になるフレーズを書き溜めていった。そんな時、中原中也の”汚れちまった悲しみに・・・・”と出合う。
今でも覚えているほど、何度も何度もノートに書き写した。

汚れちまった悲しみに 今日も小雪の降りかかる
汚れちまった悲しみに 今日も風さえ吹きすぎる
汚れちまった悲しみは たとへば狐の革裘
汚れちまった悲しみは 小雪がかかってちぢこまる
汚れちまった悲しみは なにのぞむなくねがふなく
汚れちまった悲しみは 倦怠のうちに死を夢む
汚れちまった悲しみに いたいたしくも怖気づき
汚れちまった悲しみに なすところもなく日は暮れる・・・・

中3にして初めて詩の奥深さを知った。
以来どこへ行くにも持ち歩いていた作詞ノート。社会人になる頃までに20冊以上は書き綴った。
目に映る情景、様々な刺激、興味の対象、価値観、感情、模倣、とにかく何でも書いた。
観察・想像・体験。感受性は研ぎ澄まされていった。矛盾・不合理・失望。悩みも膨れ上がった。
現実をも凌ぐ創作には至らなかったが、主体的創造力を磨き始めたのである。

私の全ての作詞ノート1ページ目には、”汚れちまった悲しみに・・・・”全文と「中原中也に捧げる」と前書きした。

ソングライターには成れなかったが、クリエーター(創造者)の道は今も続いている。・・・・・・・・(Vol.5へ続く)

——–Life With Music——–Automation System クリエーター INNAMI (https://www.innami-factory.co.jp/)

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